2026年、データ侵害の平均コストは世界全体で499万ドルとなり、過去最高を更新しました。米国ではさらに高く、平均1,150万ドルに達しています。そして4年連続で、攻撃者の侵入口として最も多かったのはフィッシングでした。

こうした数字を目にすると、「予算を増やす」「ツールを増やす」「規程を厳格化する」といった、お決まりの対応に走りがちです。しかし、被害が甚大な侵害と、被害を抑え込めた侵害を分けた要因を掘り下げると、見えてくるのは別の真実です。明暗を分けるのは攻撃の手口そのものではなく、組織が攻撃をどれだけ早く検知し、実態を把握し、封じ込められるかなのです。

もはや、攻撃者を締め出すだけでは不十分

毎年発表されるデータ侵害コストの調査結果は、同じ厳しい事実を裏付けています。それは、規模や業種を問わず、「自社は決して狙われない」と言い切れる組織など存在しないということです。攻撃者が足がかりを得るのに必要なのは、たった1通のフィッシングメールの成功、1つの放置されたクラウドの設定ミス、あるいは1つの見落とされたベンダー接続だけで十分なのです。

被害が甚大なインシデントと、被害を最小限に抑えられたインシデントを分けるのは、もはや最初の侵入経路ではありません。カギを握るのは、その後の数時間から数週間で何が起きるか――侵入をどれだけ早く検知できるか、何にアクセスされたかをどれだけ正確に把握できているか、そして推測に頼らずどれだけ迅速に対応できるか、という点です。

サードパーティやベンダー経由のアクセスは、データ侵害調査において依然として繰り返し浮かび上がるテーマです。サプライチェーンが複雑化し、システム間の相互接続が進む中、攻撃者は必ずしも組織に直接侵入する必要はありません。委託先やパートナー企業の環境に一つでも脆弱なリンクがあれば、それだけで侵入の糸口になり得るのです。

貴社のリスクは実際にはどこにあるのでしょうか?

情報漏洩の調査では、サードパーティやベンダーとの関係が繰り返し浮上しています。セキュリティリスク評価を実施することで、組織が実際にどのようなリスクにさらされているかを把握することができます。

セキュリティリスク評価および審査について詳しく見る

コスト上昇の背後にある「静かな要因」

攻撃の手口はニュースの見出しを飾ります。しかし、実際に請求書へ跳ね返ってくるのは、検知と封じ込めにかかったスピードです。

インシデントを迅速に特定し封じ込められた組織は、侵害が数週間、時には数ヶ月にもわたって見過ごされてしまった組織と比べ、一貫して大幅に低いコストで済んでいます。にもかかわらず、多くの組織は依然として予防策への投資に偏りがちで、その予防策が破られた際に侵害がどう展開するかを左右する、ガバナンス・監視・インシデント対応体制への備えは十分とは言えません。

これは、表面的な数字だけを見ていては気づきにくいポイントです。侵害コストの増加は、単に攻撃者の手口が巧妙化しているからだけではありません。クラウド、サードパーティとの連携、分散型のチーム体制といった今日の環境の中で、誰にも気づかれないままインシデントが拡大していくスピードに、組織側の対応力の成熟度が追いついていない――そうした構造的な問題でもあるのです。

認証取得済みのマネジメントシステムが状況を一変させる理由

ISO/IEC 27001に準拠した情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)は、まさにこのギャップを埋めるために設計されています。 体系化されたISMSは、単にポリシーを文書化するだけではありません。組織に対し、インシデントをいかに迅速に検知し封じ込めるかを決定するプロセス――リスク評価、アクセス制御、監視、インシデント対応計画、定期的な内部レビュー――を構築し、継続的に検証することを求めています。

AIシステムを運用する組織にとって、ISO/IEC 42001は、このガバナンスの枠組みをAI特有のリスクにまで拡張するものです。侵害やインシデントの調査において、AI搭載ツールやサードパーティ製のAI統合が関与するケースが増加している現在、このギャップの重要性はますます高まっています。

貴組織は、インシデントを検知し封じ込める準備がどの程度整っていますか?

ISO/IEC 27001認証を取得したISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)は、予防策が機能しなかった場合にどれほど迅速に対応できるかを決定づける、リスク評価、監視、およびインシデント対応のプロセスを構築します。

ISO/IEC 27001認証について詳しく見る

独立した認証は、さらなる保証の層を追加します。つまり、認定を受けた第三者機関が、これらのプロセスが単にどこかに文書化されているだけでなく、実際に存在し、意図したとおりに機能していることを検証したことを意味します。 この違い(紙面上のみの存在であるシステムと、テスト、維持、審査が行われているシステムとの違い)こそが、インシデントを迅速に収束できる組織とそうでない組織を分ける要因であることが多いのです。

これが組織にとって意味すること

情報漏洩によるコストが過去最高に達していることは、警戒すべき理由ではありません。 むしろ、これは、組織が実際にどのようなリスクにさらされているかを率直に見つめ直すきっかけとなります。それは、すべての攻撃を防ぐことができるかどうか(誰にもそれは不可能です)だけでなく、万が一攻撃が侵入した場合に迅速に把握できるか、そして何が起こったのか、それに対してどのような対応を行ったのかを正確に証明できるかという点です。

現在の情報セキュリティ体制を評価している場合、あるいは ISO/IEC 27001 や ISO/IEC 42001 の認証取得が組織にとって何を意味するのかを検討している場合は、要件についてご説明いたします。

現在の情報セキュリティ体制を評価していますか?

現在の情報セキュリティ体制について検討中の方、あるいはISO/IEC 27001やISO/IEC 42001の認証取得が組織にとってどのような意味を持つのかを探っている方は、要件について喜んでご説明いたします。

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著者名

Ingo Unger

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