欧州議会MDD延長議案を可決

欧州議会は2023年2月16日、すでにMDDを取得しているハイリスク機器は2027年5月まで、中リスク小リスク機器は2028年5月まで有効期限を延長する旨の議案を賛成多数で可決しました。正式には、EU官報の発行によりこの議決は発効となります。

期限の延長は、現MDD認証取得会社が、2024年5月26日までにN.B.に対し正式なMDR申請を完了し、2024年9月26日までにN.B.との間でMDR Annex VII section4.3に定める契約を完了することが条件となっています。

DQSは現在も新規のMDR申請を受け付け中ですが、今回の決定により、MDD取得製品の70%を占める未MDR申請品が2024年までにN.B.への申請を急ぐことになると考えています。また、MDD既取得品であってもデザイン変更を行うためにはMDR取得が条件となりますので、移行期間中のN.B.のリソース不足は依然として継続するものと思われます。

このため、DQS JapanではMDR未申請のMDD取得各社様に対し、今後の対応についての相談窓口を設置することと致しました。
今後の対応やセカンドオピニオンを含め、弊社窓口担当までお気軽にお問い合わせください。

【今回の決定の背景】

欧州委員会は、COVID-19のパンデミックが及ぼしたグローバルなサプライチェーンに及ぼす影響、ロシアの対ウクライナ侵略戦争などにより、MDDからMDRへの移行が大幅に遅れたため、既定の2024年5月で移行期間が終了すると、EU市場内での医療機器不足陥ることを懸念しています。

有効期限    失効するMDD (IVMD)認証数
2021年                           1,139
2022年                            2,370
2023年                            4,311
2024年5月        17,095
*Source: EU official web site

N.B.からの情報によれば、2022年10月現在8,120件の申請中1,990件の認証が発行されました。
2024年5月までの認証数は合計で7,000件程度と見られ2022年から2024年までに失効するMDD認証合計23,776件の30%弱にとどまるものと見られています。
2021年5月26日までに発行されたMDD認証の延長
Class IIa & Class I                2028年12月31日まで延長
Class III & Class IIb                 2027年12月31日まで延長
Class III implantable custom made devices    2026年12月31日まで延長

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著者名
Ryukichi INOUE

略歴
福岡県出身

学歴
東京大学教養学部教養学科国際関係論卒業(学士)
INSEAD(欧州経営大学院)卒業(MBA)

職歴
Interactive Cable Communications Inc.  COO
つなぐネットコミュニケーションズ COO
UL Japan Inc.  COO

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