食品不正の問題は、近年急速にその重要性を増しています。現在では、ほぼすべての食品安全基準において、不正行為に対抗するためのシステムが要求されています。しかし、影響を受けるのは食品だけでなく、包装材も同じです。このたびIFSは、新しいガイドの中で、企業がIFSの様々な規格の製品不正の要件に準拠するための方法をまとめました。

食品偽装」の意味については、もう説明する必要はないでしょう。GFSI承認の食品安全規格で、この用語がないものは考えられません。しかし、その議論は食品業界にとどまりません。パッケージやその他の製品も不正のリスクにさらされています。そのため、「製品不正」という用語は包括的な用語として使われています。

製品不正に関する新しい IFS ガイドは、IFS のホームページから無料で入手でき、企業が規格IFS Food 6.1,IFS PACsecure 1.1及びIFS Logistics 2.2 の要求事項に適合するための方法を説明しています。クリック こちらをクリックすると、ダウンロードページへ移動します。

要求事項の理解

本ガイドは、認証サイトに新たな要求事項を課すものではなく、上記規格の既存の要求事項を説明・図解したものです。基本的に、規格は3つの項目を要求しています。

  • 不正リスクを特定するための脆弱性評価
  • 管理機構を含む、製品不正に対抗するための文書化された計画の実施
  • リスク分析および計画の定期的な評価と、必要に応じての更新

しかし、この基準では、脆弱性評価の実施方法について詳しい定義がなされていない。また、製品不正対策計画についても、どのように計画を立てるべきかは規定されていない。

そこで、このガイドの出番です。製品固有のリスク分析と供給者固有のリスク分析を区別して、企業がどのように脆弱性評価を実施すればよいかが説明されています。この2つの要素を評価した結果がリスク評価となり、これが製品不正対策計画の基礎となる。

付録で例題と監査上の質問

付録を読み飛ばす癖がついていませんか?IFSガイドの場合、読み進めることが得策です。付録IとIIは、ケーススタディで理論を適用しています。最後になりましたが、付録IIIは、監査の準備に役立ちます。そこには、製品不正に関連して、監査人が監査中に好んで尋ねる質問のリストが掲載されています。

著者名
ティース博士 ウィラート

ティース・ウィラート博士はサステナビリティ・サービスのグローバル・ディレクター。DQSのESGサービスポートフォリオ全体を統括。持続可能な調達、人権デューデリジェンス、ESG監査などを担当。

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