欧州理事会は2023年3月15日、すでにMDDを取得しているハイリスク機器は2027年5月まで、中リスク小リスク機器は2028年5月まで有効期限を延長する旨の議案を賛成多数で可決し、2023年3月20日、EU官報が正式に発行されました。

期限の延長は、現MDD認証取得会社が、2024年5月26日までにN.B.に対し正式なMDR申請を完了し、2024年9月26日までにN.B.との間でMDR Annex VII section4.3に定める契約を完了することが条件となっています。

期限の延長を申請することができるのは、MDDのレガシー デバイス (MDCG 2021 25)、すなわち、MDRの適用日(2021年5月26日)以降に市場に出されたデバイスに限られます。MDDのレガシーデバイスとは、a)    MDDのクラス I機器     ・2021年 5 月 26 日EC 適合宣言書の作成以前であること     ・MDRの要求に基づいたNotified Bodyの適合性評価を受けていること       (例:デバイス クラス Ir );       または、b) 2021年 5 月 26 日以前のDirective 90/385/EEC (AIMDD) または、MDDに沿った有効なEC 証明書の対象となっているデバイス

2024 年 5 月 26 日までの移行期間の延長は、以下の条件を満たすことで、法律により自動延長されます。 1.デバイスは引き続き MDD の要件に準拠していること (activeで且つ有効な MDD 登録証) 2.デバイスは、設計または使用目的に大きな変更がないこと (MDCG 2020 3*) 3.デバイスは、患者とユーザー、その他の要員における健康と安全に対し、公衆衛生保護のその他の側面において 安全に許容できないレベルのリスクがないこと。 4.製造業者は、2024 年 5 月 26 日までに MDR 第 10 条 (9) に準拠した QMS を運用していること。

 *MDCG 2020 3  このガイダンス文書は、MDR第120条(3)の下で「設計の重大な変更または意図された目的の重大な変更」と見なされるべきデバイスの変更に関するもので、   フローチャート、変更の例などが記載されています。

 

DQSは現在も新規のMDR申請を受け付け中ですが、今回の決定により、MDD取得製品の70%を占める未MDR申請品が2024年までにN.B.への申請を急ぐことになると考えています。また、MDD既取得品であってもデザイン変更を行うためにはMDR取得が条件となりますので、移行期間中のN.B.のリソース不足は依然として継続するものと思われます。

 

このため、DQS JapanではMDR未申請のMDD取得各社様に対し、今後の対応についての相談窓口を設置することと致しました。今後の対応やセカンドオピニオンを含め、弊社窓口担当までお気軽にお問い合わせください。 

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著者名
Ryukichi INOUE

略歴福岡県出身

学歴東京大学教養学部教養学科国際関係論卒業(学士)INSEAD(欧州経営大学院)卒業(MBA)

職歴Interactive Cable Communications Inc.  COOつなぐネットコミュニケーションズ COOUL Japan Inc.  COO

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